やすぴか日記

日常の出来事と過去の思い出の記録

いじめに遭遇した時の複雑な思い出

 子供会は今でもあると思うが、現在は少子化に加え、習い事や共働きのため、無くなったり存続の危機になっている地域もあるようだ。我々が小学校のときは、入ることが当然で、その地域の異学年の子供たちが集まり、ソフトボール大会や夏祭りなど、いろいろなイベントをやっていた。その子供会で行った、林間学校の話である。

 どこへ行ったかは覚えていないが、複数の地域の子供会と合同で1泊2日で山へ行き、飯ごう炊さんでカレーライスを作ったり、キャンプファイヤーなどのイベントがあった。宿泊はバンガローに部屋割りされ、同地域の二人ずつの組み合わせで、私は比較的仲の良いS君と組んで、他地域の2人と4人部屋となった。

 他地域の2人は、よくよく観察してみると、一方(仮にA)が一方(仮にB)をいじめている様子だった。夜、消灯前の部屋の中で、AはBに対し、暴言を吐いたり、たたいたり、服を脱がせたりしていた。Bは「やめてよ、やめてよ」と言うが、Aはやめない。私とS君は見て見ぬふりをしていた。今度は、寝ているBの顔を踏んで「靴下臭いだろう」と言って、足で顔をグリグリと何度も押し付けた。さすがにこれはひどいと思いながらも、ふたりとも何も言えなかった。

 するとAは、S君に向かって「おもしろいぞ、お前もやれ!」と言った。私はどきっとした。さすがにそれは出来ないだろ、と思っていたら、なんとS君は立ち上がって、Bの顔を足でグリグリとし始めた。私はびっくりした。S君は恍惚の表情をして、Bの顔を踏んでいるのだ。私はS君の豹変ぶりに驚いた。しかし、なぜか二人は、私には何も言わずにその場は終わった。

 S君に関しては、似たようなことがあった。子供会のソフトボール大会に備えて、定期的に練習をしていたのだが、6年生のときに、S君がキャプテンだった。ミスがあったら「ケツバットだ!」と言って、実際にミスした子たちを並べて、思いっきりフルスイングでおしりを殴った。その時もすごくうれしそうな顔をしていた。

 S君は、普段はそんな風に見えず、結構真面目で、たまに一緒に遊んでいた。私に対してはすごく優しく、ソフトボール大会でも、規則で6年生は二人しか試合に出られないため、キャプテンの自分と上手なG君がレギュラーだったのだが、途中でG君の代わりに私を出してくれた。S君がピッチャーで私がキャッチャーで、ピンチのときにホームゲッツーをした。その時も「キャッチャーがYくんだったから出来た」と持ち上げてくれた。

 S君は何か抑圧されていることがあり、その反動があのような行動に表れたのだろうか。後に聞いた話だが、私の母はS君の母親から「S君はY君ともっと仲良くしたいと言っているのでお願いします」と言われていたようだ。小学校卒業後は、S君とは付き合いが無い。