やすぴか日記

日常の出来事と過去の思い出の記録

入院の思い出(①突然、病気発覚!?)

 私は、27歳のとき手術を経験している。30年以上前の話である。ちょうど今頃の時期であった。検査入院を含めて、約3ヶ月の入院生活を送った。病名は、結果的に「肺結核腫」で大事には至らなかったが、それは手術後にわかったことで、結果がわかるまでは、心身ともにつらい日々であった。その時の詳細な記録は残っていないが、記憶に残っている限りの事実と感情の動きを残しておきたいと思い、筆をとった。少し長くなると思うので、3回に分けて書きたい。

 それは、会社の健康診断から始まる。健康診断の結果を見ると、再検査になっていた。肺のレントゲンで影が見えるとのこと。ちょっと嫌な気分であったが、指定された日に病院に向かった。検査結果を聞きに行くと、腫瘍の可能性があり、精密検査をした方がよいので、検査入院をするようにと言われた。ショックだった。私の前に、同じ会社で知った顔が受診していたのだが、異常なしとの話し声が聞こえ、出てきた時の彼の安堵の表情が忘れられない。

 その日の夜、一人暮らしのアパートに戻り、急に恐怖と悲しさが込み上げてきた。「肺がん」という言葉が頭に浮かぶ。一人で泣いた。涙を流し、声出して泣きじゃくり、開けたばかりのタバコを箱ごとゴミ箱に捨てた。これ以来タバコは吸っていない。

 しかし、人は同じ感情は長くは続かないもので、15分もすると落ち着いてきた。そして、もはや開き直るしかなかった。まだ検査してみなくてはわからないではないか。覚悟を決めた。

 検査入院は2週間程度で、肺から直接細胞を採取し調べるとのこと。採取は口から管を入れる。局部麻酔をしたのであるが、痛みは無いが苦しいし、思わずむせる。医者は「むせるのを我慢して」と、無茶なことを言う。また、その場に研修生のような人が数人いて、医者は採取中に画像を見ながら研修生に説明している。話し声が全部聞こえ、実験台になったようで、とても嫌な気分だった。後から思うと、術前、術後を含めて、この検査が一番つらかった。

 精密検査の結果、腫瘍の悪性度は5段階中、真ん中の3番であるとのこと。良いとも悪いとも言えないが、医者としては、手術して取り除いた方がよいだろうとの判断であった。精密検査をして、どっちかわからないなんてある?どうする俺!?そして、まだまだ長い入院生活は続くのであった。②に続く。