大学時代のA君の話である。A君はこれまで2度ほどブログに登場しているが、大学下宿時代の隣人である。彼はいい意味でも悪い意味でも私が影響を受けた人物である。
A君は、同学年であるがひとつ年上である。彼が教えてくれたのは、ジャズとコーヒーだ。A君の部屋は家具は木目調で絨毯も茶系で、部屋の電気はいつも机の電球だけを点けていたので、部屋全体が渋い雰囲気で作られていた。
部屋には本格的なステレオセットがあり、「PIONEER」のプレイヤー、「SANSUI」のアンプ、「AKAI」のデッキ、「ONKYO」のスピーカーと、有名どころのメーカーの機器を揃えていた。そして、手動の木製のコーヒーミルで豆を挽き、ペッパードリップでコーヒーを入れる。
私がA君の部屋に行くと、ジャズが流れ、たばこの煙がただよい、コーヒーの香りがする。まさにジャズ喫茶のようだ。
彼はお気に入りの「マンデリン」を入れてくれる。そしてジャズを流して、「Sevev Stars」を吸いながら講義をしてくれる。マイルス・デイビス、セロニアス・モンク、ハービー・ハンコック、ビル・エバンス、ジョン・コルトレーン、ロン・カーターなど、彼が聞いているジャズ演奏者のアルバムはひととおり聞かさせてもらい、いろいろ教えてもらった。
ジャズはすごくよかったが、音楽的にはよくわからなかった。私はどちからというと、わかりやすいフュージョン系が気に入っていて、これもA君に教えてもらったボブ・ジェームスが気に入っていた。お気に入りの曲は、「We're All Alone」、「Touchgown」、「Rush Hour」、「Morco Polo」などだ。どれもどこかで聞いたことがある有名な曲だ。「Morco Polo」は、サントリーリザーブのCMに使われたので、おそらく50代以上の人は聞いたことがあるだろう。
その後は、ジャズを聞くことがなくなったが、最近子供が独立して余裕が出来てきたので、思い出してなつかしくなり、また聞いてみたくなった。コーヒを飲み、ジャズを聞きながら、ブログを書くことにしようか。
A君の話はつきないので、また別の機会に書くことにする。彼とは40年前の卒業以来会っていないが、まだどこかで彼の好きだったキースジャレット名盤「THE KOLN CONCERET(ザ・ケルン・コンサート)」を聞いているのだろうか。