やすぴか日記

日常の出来事と過去の思い出の記録

山下達郎の曲の続きが聞きたくなる話

 ちょうど40年前の話である。大学1回生(関西地区では◯年生を◯回生という)の頃、アパート(下宿)の隣の部屋に4回生のYさんという人が住んでいた。Yさんは朝、目覚まし代わりに山下達郎の曲をかけていた。その曲がアルバム「FOR YOU」(1982年1月発売)の1曲目に収録されている「SPARKLE(スパークル)」である。

 イントロのギターのカッティングが「ティンティキティキン・・・」と聞こえてくると、なんとなく目が覚めてくる。しばらくして「ダダーン!!」と大音量で曲が始まる。ここで私は驚いて完全に目が覚める。そのまま軽快なリズムが続き、おもむろに達郎が歌い出す。「なーなつっのぉー!うーみかっら〜!!あつま〜あってく〜る・・・(七つの海から集まってくる)」 。そのまま曲が終わるまで大音量は止まらない。うるさいなあ、まだ起きないのか?

 2曲めの「MUSIC BOOK」に移る。ポップなイントロで始まり、達郎が歌い出す。「つづりおーるよーに、すっこしづーつ・・・(綴織る様にすこしづつ)」。そのあとサビに入る。「おーおーMUSIC BOOK 開いたら メロディの雨が肩を濡らして・・・」。なかなかいい曲ではないかと、聞き入ってしまう。するとここで突然曲が止まる。Yさんが起きたのだ。こっちはせっかく起きて、曲がこれから盛り上がるところで止められ、ふとんの中でストレスがたまる。

 これが週に数回あるので、すっかり1曲めの「SPARKLE」は覚えてしまったのだが、2曲めの「MUSIC BOOK」は毎回途中までしか聞けないので覚えられない。とてもいい曲なので、どうしても続きが聞きたいが、Yさんとはあまり会う機会もないし、3学年上となるとそんな話をしづらいため、モヤモヤが募っていた。

 そして、ついに我慢できずに自分でレコードを買ってしまったのだ。ところが私はステレオなるものを持っていないので、聞くことが出来ない。そこで反対側の隣人の同学年で、ステレオセットを持っているA君に拝み倒して、カセットテープに録音をしてもらった。

 ラジカセに入れて再生ボタンを押す。ついに待望の「MUSIC BOOK」を最後まできくことができた。「MUSIC BOOK 降り注ぐ それは さわやかなハーモニー持って 弾む」。すばらしい!心に染み渡る名曲だ。そしてこのアルバムには、当時のCM曲で、後にドラマの主題歌にもなる「LOVELAND ISLAND」や全英語歌詞のバラードの名曲「YOUR EYES」も収録されており、お気に入りのアルバムとなった。

「Oh,Loveland,Oh,island I Love You,I Love You」(「LOVELAND ISLAND」より)

「I'm dreming and in my dream Isee your eyes」(「YOUR EYES」より)」