やすぴか日記

日常の出来事と過去の思い出の記録

九州旅行記⑤<高千穂峡と高千穂神社の神秘的パワーに圧倒された>

 黒川温泉の後、瀬の本高原の「瀬の本レストハウス」で昼食の「あそび豚の豆乳しゃぶしゃぶ」をいただいた。ここは、やまなみハイウエイの中間地点にあり、360度見渡すことができる。やや曇りがちだったが、阿蘇五岳には雲がかかることなく、お釈迦様が寝ている姿(涅槃像に似ている)を見ることができた。

 高千穂峡に向かう途中で、雲が厚くなってきた。夕方から雨の予報だったが、なんとかもってほしい。昼食のあと、1時間30分ほどバスに揺られ眠くなってきたが、妻は寝たら晴れ女のパワーが落ちる気がすると言って、寝ずにがんばっていた。狭い坂道を走り、渓谷にかかった壮大な陸橋をいくつも渡った後、高千穂峡に到着。曇っているが、今のところ雨が降る様子がない。妻の寝ずの番が効いたようだ。

 駐車場からは添乗員を先頭に「真名井の滝」までの道を散策する。坂道を下って、渓谷の中に進んでいくと、切り立った崖や独特の岩肌が見えてくる。高千穂峡を形成する柱上の渓谷は「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」と言われ、太古の昔に阿蘇山の爆発により流れ出た火砕流が、長い年月をかけて侵食されてできたものである。この独特の形状は、自然にできたものとは思えず、その神秘的パワーに圧倒された。

 しばらく歩くと「真名井の滝」が見えてきた。切り立った渓谷の間に川が流れており、そこに滝が流れ落ちている様子を橋の上から見ることができる。ボートが何艘か浮かんでいる。よくテレビや雑誌の写真で見かけるのが、この滝とボートを写したシーンである。渓谷の隙間に日が差すと、そのコントラストが、より神秘的な雰囲気を醸し出している。

 大自然を満喫した後、お土産屋に寄る。ここからマイクロバスで駐車場まで運んでくれた。駐車場にバスで乗り換え、次は高千穂神社に向かう。ちなみに、おみやげで買った「おひさまチーズ饅頭」と「皇賀玉(おがたま)饅頭」は、とてもおいしかった。

 高千穂神社は、1900年前の垂仁天皇時代に創建された歴史ある神社で、主祭神である高千皇神と十社大明神は、農業、厄払い、縁結びの神様として、信仰を集めている。境内には樹齢800年の「秩父杉」や縁結びで有名は「夫婦(めおと)杉」がそびえている。夫婦杉は、根本が一つになっていて、いかなることがあっても別れることがない形を現しており、夫婦杉の周りを恋人や夫婦が手も繋いで3回まわると、縁結び、家内安全、子孫繁栄などのご利益があるとのこと。もちろん、私たち夫婦は手を繋いで3回まわった。

 まわり終わったとき、横から遺影のような大きさの写真を持ったおばあさんが話しかけてきた。話によると、旦那さんとここに来る予定をしていたのだが、1ヶ月前に亡くなってしまったとのこと。でも、写真と一緒に来ることができて良かったと話した。ぜひ旦那さんの写真と一緒にまわった方がいいですよと勧めた。写真を持って杉の周りをまわっているおばあさんを見て、旦那さんとの約束を果たせたことで、これからの心の支えになってほしいと心から願った。

 荘厳な雰囲気の中で、高千穂神社のパワーをたくさんいただいた。念願の御朱印もいただいて、大満足であった。この後は、2泊目の阿蘇温泉「阿蘇の司ビラパークホテル&リゾート(昇竜)」に向かう。グレードアッププランのホテルで楽しみだ。

 なんと、バスに乗り込んだとたん雨が降り出した。妻のおかげか、この日はなんとか降られずにすんだ。3日目は柳川の川下りと太宰府の予定である。そして柳川の川下りで、その美しい景色と雰囲気のなかで、贅沢な時間を過ごすことになる。⑥に続く。