やすぴか日記

日常の出来事と過去の思い出の記録

この椅子に座ったら、もう立ち上がりたくない!!

 待ちに待った、HIDA(飛騨産業)のアームチェア「CRESCENT(クレセント)」がついに納品された。注文して約1ヶ月間待ちわびていたが、ようやくあの座り心地に再会できた。「立ち上がりたくない椅子」は、ついに自分のものとなった。

 腰を痛めてからは、ソファが合わずにあまり座ることがなくなったため、子供が家を出たこともあり、妻と二人用のダイニングテーブルに替え、座り心地の良い椅子を買おうということになった。最初は、食事をするときやテレビを見る時に動かしやすいように、キャスター付の椅子を考えていた。長く使えるように、少し奮発するつもりであった。

 家具店やホームセンターなどをいくつか見学していたところ、ある店で木で出来た椅子があり、何気なく座ってみたところ、衝撃を受けた。何だ!?このしっくりする感覚は?体に吸い付くような、包まれるような感じがする。そして、アームの触り心地もすべすべとして気持ちがいい。座面が木で出来ているにもかかわらず硬くなく、むしろ柔らかく感じる。妻と二人で「気持ちいい」という言葉しか出なく、しばらく動けなくなった。

 店の人に聞くと、それが飛騨産業の椅子であることがわかった。飛騨産業は1920年に飛騨高山で創業した家具メーカーで、原木の製材から加工まで一貫して自社工場で行っている。すべて受注生産で、職人が一つ一つ丁寧に作っている。キツツキマークのロゴが有名な老舗メーカーであった。(キツツキマークのロゴは2001年9月まで)

hidasangyo.com

 話を聞けば聞くほど、そして椅子に座れば座るほど欲しくなったのだが、なんせ値段が高すぎる。予定の倍以上の値段なので、さすがに手は出ないと思い、その場は帰った。しかし、あの座り心地は忘れられず、ある日妻が「やっぱり、あの椅子が欲しい」と言い出したので、私もすぐに乗っかり、いろいろと調べるとショールームが都内にあることがわかった。もう一度座ってみて、メーカーに話を聞いてみようということになり、納得すれば購入することを決め、先日のブログをのような運びとなった。

yasupika2.hatenadiary.com

 さて、ついに自分の椅子として座るときがきた。「CRESCENT」は1995年に発表されて以来ベストセラーとなっている、飛騨産業を代表する椅子である。まずは見た目。「曲線だけで構成される美しいデザインは、座り心地を追求した結果、必然的に生まれた形」とのことで、見ているだけでもずっと見ていられる。背の低い妻のために、脚を少しだけカットしてもらったのだが、並べると夫婦茶碗ならむ夫婦椅子のようで、かわいい。

<丸みを帯びたフォルム>        <後ろに小さくHIDAのロゴ>

 座ってみる。木でできた座面でありながら、まったく硬さを感じない。これは、座面を立体的に削る「座繰り加工」というもので、職人が丹念に磨き上げているとのこと。さらに塗装には「ノンスリップ加工」がされており、不思議なことに本当におしりがまったく滑らないため、正しい姿勢が維持できて疲れないのだ。

 背板は、木材を蒸煮して軟化させた後、曲型にはめて曲面に形成した「曲木」という部材を使用しているため、背中にぴったりとフィットする。まるで椅子に包まれるような感覚で、幸せな気分になれる。

 そして、アームのに手を置いたときの触感。肘の部分は下向きに傾斜した丸みのあるフォルムでつかみやすく、アームを手でずっとなでていたいほど気持ちがいい。

 この椅子は10年補償がついており、製作過程の不具合による破損の場合は無償で修理してもらえる。また傷や汚れといった経年劣化も丁寧に修理してくれるとのこと。この椅子を手に入れた私たちは、この先一生使うことであろう。もう私はこの椅子から立ち上がれない。いや、もう立ち上がりたくない!!