やすぴか日記

日常の出来事と過去の思い出の記録

奇跡の旅路は終わり、再訪を誓う(伊勢神宮参拝ツアー⑥ 完結編)

 いよいよ帰路につく。鳥羽港から伊勢湾フェリーに乗って、愛知県渥美半島の先端、伊良湖岬に渡り、そこで恋が浜、伊良湖岬灯台を散策する予定だ。朝から猿田彦神社、内宮、おはらい町と、ずっと歩いていたため、足腰がかなり披露しており、歩けるかどうかちょっと不安であった。

 私は、昨年の夏にヘルニアになって、いったん治ったのだが、調子にのって京都旅行で歩きすぎて、再発してしまった経緯がある。現在は痛みもとれ、普通に歩くことはできるが、足のしびれは若干残っており、いつ再発するかとビクビクしている。義母も足を痛めており、歩き過ぎると夜に足が腫れると言っていた。そんな中、結構歩いたため、かなり足腰が重くなっていた。

 フェリーに乗ると、3人ともどっと疲れがでたのか、椅子に座ったらぐったりしてしまった。空もどんよりと曇り、肌寒く、とても外の景色を見る気分ではなかった。三島由紀夫の「潮騒」の舞台となった「神島」の横を通った。名前が示すように、古くは神が支配する島と信じられていたそうだが、疲れて横目で見るだけだった。ちなみにこの伊勢湾フェリーの航路は、国土交通省により国道42号線に指定されている海の国道である。

 1時間ほどで愛知県に上陸した。フェリーを出ると、なんと雨だった。ついに晴れ女パワーもこれまでか。伊良湖岬灯台は、日本の灯台50選にも選ばれており、天気が良ければ青い海と空に白い灯台コントラストが美しいとのこと。また恋が浜は、白く美しい砂浜で、「幸せの鐘」や「日出の石門」などがあり、「恋人の聖地」と呼ばれているそうだ。

 伊良湖岬では30分ほど時間があり、灯台まで散策する予定だったが、肌寒い雨の中、傘を差しながら疲れた足を引きずって、往復20分の距離を歩いていく元気はなかった。きっとこれは、疲れた私達を休ませてくれるために、神様が雨を降らせてくれたのだろう。この2日間は全国的に雨だったのだが、旅行中雨に降られたのは、自宅から新幹線駅の往復も含めて、伊良湖岬にいたこの時間だけだったのは、奇跡ともいえるだろう。

<右上:神島、左および左下:フェリー後方より>

 伊良湖岬を出た私達は、浜松駅に到着する。帰りの新幹線に乗る前に各自夕食を調達する必要があるのだが、時間は19時を過ぎており、時間的にお土産屋のお弁当は売り切れ、遠鉄デパートは閉店時間であった。しかたなく遠いコンビニまで歩いて行こうと思っていたら、駅ビルの端っこの分かりづらい場所に、地下に行く狭いエスカレータを発見した。ピンときてそこを下りてみたら、改装工事中だったのだが薬屋と焼き鳥屋ととんかつ屋の3店舗だけあるフロアだった。焼き鳥屋の弁当は売り切れ、最後の望みのとんかつ屋は、ここにある分だけならできるとのこと。これまた奇跡的に、和光のひとくちヒレカツ弁当をゲットしたのだった。

 今回のツアーで、希望する人には、ガイドさんが御朱印紙をまとめてもらってきてくれた。一人ひとり名前を聞いて集金し、5箇所すべての寺社で並んでもらってきてくれるなど、かなり面倒なことしてくれたことに感謝する。そのおかげで、私達はその分の時間を使って、ゆっくり見学することができた。ちょっといい加減な説明もあったが、十分楽しませてもらった。

 今回のツアーは充実した行程であり、行きたかったところもすべて行くことができ、なぜか雨に降られず、ちょっと不思議な出来事もあり、とても楽しい旅行となった。伊勢神宮は、またいつか必ず行きたいと思わせられる、神秘的な場所であった。10年後の次の式年遷宮の後に必ず再訪することを誓った。