やすぴか日記

日常の出来事と過去の思い出の記録

「ガウディとサグラダ・ファミリア展」へ行く①〜サグラダ・ファミリアの一端に触れる

 「ガウディとサグラダ・ファミリア展」に行った。6/13〜9/10まで東京国立近代美術館で開催されている。妻はサグラダ・ファミリアが大好きで、昔から行けるものなら一度は現物を見てみたいと言っているほどである。期間終了まであと少しなので、見に行ってみようということになった。

 世界的に有名なサグラダ・ファミリアだが、実は元々私はそれほど関心がなく、「昔からずっと作り続けているスペインの教会で、生きてるうちに完成を見ることができないだろう」と言われている、という程度の知識であった。行くにあたって、多少の知識は必要だろうと、事前に妻に勧められたNHKの特集番組「サグラダ・ファミリア2023〜ガウディ100年の謎に迫る」を録画したものを見た。

 サグラダ・ファミリアは、アントニオ・ガウディが1882年に建設を開始し、ガウディ没後も弟子たちがその建設計画を受け継ぎ、現在も建設中である。完成までに300年かかると言われていたが、IT技術の進歩と観光客の増加による潤沢な資金で、工期を短縮することができ、ガウディ没後100年にあたる2026年に完成予定とされていた。しかし、新型コロナの影響で建設工事が中断したため、2026年の完成は困難であるとのこと。

 この番組の中で、壮大な聖堂の建設に日本人として参加してきた彫刻家の外尾悦郎氏を紹介していた。外尾氏は、サグラダ・ファミリアの建設に45年間携わっていて、「生誕のファザード」の装飾など、様々な彫刻を手掛けている。そして今、外尾氏は主任彫刻家として、「イエスの塔」の内部装飾を任されている。

 世界一の高さの教会となるイエスの塔に関する資料は内戦で紛失してしまい、わずかに残るスケッチを元に建設が進められている。ガウディだったらどうするか、残された資料や彫刻からヒントをもらいながら試行錯誤の結果、外尾氏は塔内部の装飾を森羅万象で表現しようとし、それをグラデーションで表現することに決めた。

 ここにきて、2021年に「マリアの塔」が完成し、2026年に「イエスの塔」が完成予定となった。マリアの塔は全18の塔のうち、イエスの塔に継ぐ2番目に高い塔で、塔の先端には「ベツレヘムの星」と呼ばれる巨大な星が取り付けられ、建設中のイエスの塔の後ろで見守るかのように建てられている。

 夜、マリアの塔の星が点灯すると、青白い光が優しく光り、平和への願いを込めたマリアの祈りが届くかのようだ。画面の光を見ているだけで、神聖な気持ちになり、自然に涙が一筋流れた(かのようだ)。

 奥深いサグラダ・ファミリアのほんの一部を知っただけであるが、すでに虜になっていた自分に気づく。もっと知りたい、この目で見たいと思った。いざ行こう!東京国立近代美術館へ!

 ②に続く。