やすぴか日記

日常の出来事と過去の思い出の記録

巣鴨デビューで赤パンツを買う

 5/4に巣鴨に妻と義母と行ってきた。還暦になったので、ついに巣鴨デビューというわけである。「おばあちゃんの原宿」と言われているだけあって、多くの高齢者で賑わっていた。GWのニュースでやっていた、本家原宿竹下通りの賑わいに匹敵するほどである。

 11時頃に巣鴨駅で降りて、「地蔵通り商店街」に向かう歩道を歩くと、どうも進み具合が悪い。混んでいることもあるが、まわりを見渡すと、ほとんどが年寄りばかりである。スピードが遅いはずだ。途中で乗り換えした新宿駅での人の流れのスピードの半分程度であろうか。還暦の私でも、この中では若手のようだ。

 商店街に入る手前に「伊勢屋」があり、折り返し3列以上の大行列となっている。名物「塩大福」を求める人たちだろう。並ぼうか迷ったが、とりあえず先に進むことにした。商店街には、洋品店、薬屋、和菓子、洋菓子など、様々な店が並ぶ。いくつもある洋品店は、どの店もおばあちゃんたちが群がっていた。出店もあり、お好み焼き、佃煮、仏具、CDまで何でもある。暑かったので、まずは100円の懐かしのアイスクリームをゲット。シャーベット状のバニラアイスがコーンの上にのった素朴な味だ。お好み焼きにすごい行列ができている。よく見ると片手で食べられる小さいサイズだが、なんと200円!行列に納得。

 とげぬき地蔵尊高岩寺」に入る。病気平癒や健康長寿で知られている。ここの「洗い観音」は、治したい病気や体の部分に水をかけて、タオルで拭くと治してくれるというご利益があるとのこと。ここも行列になっていたが並ぶことにした。並んでいる途中、妻が「いつも並んでいるときより、よく見える」とわけのわからないことを言った。聞き直すと、背の低い妻は、普段行列に並んでいるときは、人の頭しか見えないそうだが、ここでは年寄りばかりで、みんな背が低いので、景色がよく見えると言うのだ。なるほど、自分が見えているものだけがすべてではないと、目からウロコであった。順番がきたので、私は再発しないように、気持ちをこめて腰と肩を洗い流した。

 少し歩くと、赤パンツで有名な店「マルジ」があった。赤パンツが今回の目的の一つだ。パンツに靴下、Tシャツに腹巻きなど、すべての衣類が赤色である。「龍」の一文字の赤パンツを購入。ここぞというときの勝負パンツだ。これからそんなときあるのか?買い物カゴいっぱいに赤パンツを入れているおばあちゃんがいた。おみやげに赤パンツを配るのだろうか...。妻がレジでポイントカードがあると聞かれたそうだが、ポイント集めるほど赤パンツの常連さんがいるのか?と思いきや、前で会計していたおばあちゃんが、ポイントカード忘れたと言っていたそうだ...。

 商店街を折り返し、ランチをしようと思ったが、歩いていて目についた店はすべて行列ができている。有名な「ときわ食堂 本店」に行きたかったが、行きに通ったときには、すでに大行列ができていた。商店街を折り返して、すぐのところにある「庚申塚店」の方が5組程度の行列だったので、ここに並ぶことにした。30分ほど待って呼ばれた。並んでいるときに注文したので、席についたらすぐに出てきた。「真鯛兜煮とあじフライ1枚定食」。兜煮は、味が濃すぎず、身が柔らかく、とても美味しい。アジフライのアジはとてもおいしかったが、衣が少し厚く、年寄りには少し重いか。ここのおすすめはミックスフライ定食で、特大エビフライ2尾にアジフライとメンチカツがセットになっており、食べている人を見て、かなりのボリュームがありそうだったのでやめたのだが、結構頼んでいる人が多い。体の小さい、結構な歳をとったご夫婦も頼んでいたが、運ばれていた皿を見て、目が丸くなって固まっていた。お腹をこわさないように。

 帰り際に「榮太樓」で柏餅を買って食べ、「みずの」で塩大福と豆大福をおみやげで購入。「みずの」は塩大福の元祖である。餅はしっかりした感じで、あんこも甘すぎす私の好みだ。並んでいる人数も少なかったので、早まって伊勢屋で並ばず、ここで買ってよかった。

 今回始めて巣鴨を体験した。率直な感想は、一度行けばとりあえずいいかな、といった感じ。それにしても、おじいちゃん、おばあちゃんは元気だ。歩きはゆっくりだが、暑いなか商店街の端から端まで歩き、大行列に並び、たくさん食べ、店に群がるそのパワー。そこまで引き付ける巣鴨の魅力は何なのか。それがわかるまで、また行かねばならないのか。