やすぴか日記

日常の出来事と過去の思い出の記録

「迷ったらやる」を実行しよう! 「復活への底力」(出口浩明著)を読んで

 出口浩明著「復活への底力」を読んだ。出口氏はライフネット生命株式会社の創業者で、現在は大分県別府市にある立命館アジア太平洋大学(APU)に単身で赴任し、学長を努めている。

 昨年(2021年)の1月、脳卒中により右半身の麻痺と失語症が残った。医師によると、70歳を過ぎて重度の障害が出たら、普通は自宅に戻るか介護施設に入るかし、自立した生活を目指してリハビリを行うのが一般的なのだが、出口氏は学長職へ復帰し、講演も単身赴任もすることを目標とした。

 この本は出口氏が復職を目指した背景と、復職までのリハビリの様子、その間に気づいたこと、新たに見えてきたことについて記した本である。

 本の中でダーウインの自然淘汰説を引用し、「どんな事態に直面するかは運次第で、そこでどんな適応ができるかが重要である」と述べる。

 そして、「自分の体に障害が残った事実をありのままに見つめ、その変化に適応するだけのこと」と考え、苦しいリハビリを克服し、1年後に見事に職場復帰を果たす。

 この言葉で、私の亡き父を思い出す。父は喉頭がんを患った時、声帯を切除したため、声を失った。しかし、そこであきらめずに食道発生法を練習し、ついに他人でも聞き取れるほどの言葉を話せるようになり、声を取り戻した。これには並々ならぬ努力があったのだろうが、思いがけず与えられた環境に、父は見事に適応した。

 また、「楽観的でいられるのは、これまで学んできた知識の力もある」と述べる。「何かについて知っているほど、人生の選択肢は増える」し、「勉強した分だけ選択肢が増えていろいろな物事を自分で選べるようになる」という。

 私の息子や娘もこの先まだ人生は長いので、いろいろな経験をして、たくさん勉強して、予期せぬ環境になっても、適応できる力を身ににつけてほしいと思っている。

 出口氏のモットーは「迷ったらやる。迷ったら買う。迷ったら行く。」とのこと。その決断力がうらやましい。私だったら、「迷ったら、やめておこう。」と思ってしまう。

 私は還暦が近いが、まだまだ新しい経験ができると思うので、「迷ったらやる。」を実行してみようか。しかし、「迷ったら買う。」を実行すると妻に叱られるにちがいない。

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