やすぴか日記

日常の出来事と過去の思い出の記録

京都の身近な観光地で過ごした思い出②(名所編)

 40年前の学生時代に、暇な時に立ち寄った京都の観光地での思い出の2回めである。京都の観光地も、住んでいる暇な学生にとっては、日常生活の一つとして存在していたと思う。

 私の下宿から嵐山までは、バイクで10分ほどであった。当時は、原宿や軽井沢などに芸能人がショップを出店することが流行り始めていた頃であり、嵐山にも結構出店していた記憶がある。ビートたけしのカレーショップもこの頃だったと思う。暇だったある日、悪友が目の保養で観光客の女子を見に行こうというので、二人で嵐山に行くことにした。渡月橋を渡った先の山側に行く道で、我々の前を年配女性のグループ(残念ながら若い女子ではない)が歩いていた。そこに野生の猿が後ろから歩いてきて、1人のおばさんが提げていたお土産の袋を後ろから奪い取った。そして猿はその場で座り込んで、包装紙を破って、中の生八ツ橋らしいお土産を食べ始めた。おばさんもびっくりして、笑うしかないようだった。我々もあっけにとられて、怖くなってさっさと帰ったのであった。

 京都市内を流れる鴨川は、夕方から夜にかけてカップルの聖地となる。京都の繁華街近くの四条大橋を中心に川沿いをカップルがきれいに等間隔で座っている。もてない男たちは、それをうらやましそうに眺めるだけだった。いつか自分もあそこに座るぞと心に決めていたが、結局一度も座らずに終わってしまった。ただ、上流の方に行くとほとんど人がいないので、天気の良い休みの昼間に下宿の後輩と自転車で向かい、土手でビールを飲んでのんびりしていたこともある。

 京都の街は山に囲まれた盆地であり、大文字焼きで有名な京都五山に、それぞれ「大文字」、「妙法」、「舟形」、「左大文字」、「鳥居形」とある。文字の部分は木がないので、普段でもそれぞれの山に大きな文字を見ることができる。五山送り火は(大文字焼き)は、毎年8/16に開催されるが、夏休みは毎年実家に帰省していたので、残念ながらリアルタイムで見たことはなかった。私がなじみがあるのは、大学の近くから見える大北山の「左大文字」である。実家から戻るときに京都駅からバスに乗った際、西大路通を北に走ると、目の前に「大」の字が大きく見えてくる。それを見た時には、京都に帰ってきたことを実感したものだ。

 こうやって思い出してみると、結構いろいろな名所にふらっと立ち寄っていたかもしれない。お寺などにはそれほど興味があったわけではないので、まともに観光していたわけではないが、今思えばそれはそれで楽しかった。今では京都に行く機会がなかなかないので、もっとじっくりいろいろな場所を観光すればよかったと、今さらながら後悔しているのであった。