やすぴか日記

日常の出来事と過去の思い出の記録

エッセイを二冊読んで思ったこと

 12月に二冊のエッセイを読んだ。普段エッセイはあまり読まないのだが、最近は二度のヘルニアで集中して本を読む余裕がなく、読みたいと思ったときにちょっとの時間に手に取って読めたことが理由である。一冊が「べらぼうくん」(万城目著、文春文庫)で、もう一冊が「いのちの車窓から」(星野源著、角川文庫)である。

 「べらぼうくん」の著者「万城目学」は、映画化された「鴨川ホルモー」や「プリンセス・トヨトミ」、テレビドラマ化された「鹿男あをによし」など、現実社会の中に紛れ込んだ奇想天外な話が得意な小説家で、デビュー作からほとんどの作品を読んでいたため、手に取ったものである。

 万城目学が小説家を志した大学時代から、細々と小説を書いた会社員時代、そして退職して本格的に小説家を目指して上京し、晴れてデビューするまでの回想録になっている。

 「いのちの車窓から」の著者星野源は、「恋」などのヒット曲があるシンガーソングライターで、TBSの「世界で一番受けたい授業」に出演した林真理子氏が、おすすめのエッセーの中で「不思議な味わいがある」「例を見ないくらいうまい」など、ベタぼめだったため、気になって読んでみた。

 孤独だった少年時代の話や、笑福亭鶴瓶大泉洋新垣結衣の裏話があったり、「逃げ恥」の主題歌「恋」の作詞の秘話など、若干林真理子のほめ過ぎ感はあるものの、秀逸な作品であった。

 二冊のエッセイを読んで思ったのは、自分のルーツや過去の出来事、日頃思っていることなどを書くことにより、小説家であれシンガーであれ、人柄や性格がおのずと表れてくるということである。

 万城目学は、いい加減そうだけど、実は真面目で、ちょっと気が弱い。星野源は、真面目そうだけど、実はやんちゃで、ちょっと大胆。違ったらごめんなさい。でもふたり共とても良い人だということはわかる。

 そしてこれは、ブログでも同じで、うまいヘタ、長文短文、文体の違いなど、表現方法は多種多様ある。今日あったことを淡々と書く人、グチを書く人、前向きな人、批判ばかりする人、難しいことを書く人、表現はいろいろあるが、どの人も文章の端々に人柄が表れて、非常に興味深いのである。

 そう、そして私もきっとこう思われている。へ理屈書いてるけど、中身が薄っぺらいなあ、でも人は良さそうだ!